楽しい小説読みたいなー、と思ってたところ本屋さんで西木正明さんの作品を見かけました。「ガモウ戦記」であります。
〜amazonの製品紹介より〜
内容説明
紙芝居の慰問で赴いた南方から、命からがら引き上げてきた蒲生太郎。帰ってみれば東京の生家は丸焼で、家族も全滅。傷心の太郎は戦地で世話になった軍医・金木令吉を頼り、秋田の山奥、仙北郡神代村へとやってきた。そこで出会った戦争未亡人の敏子と深い仲になり、村で暮らしてゆく決意をする。
ガモってのは、秋田の方言で男性器のことで、蒲生太郎さんはガモタロウさんとしてあっという間に村に溶け込むわけです。下ネタっていつでもどこでも大事なんだよ。
物語の舞台が秋田とあって、登場人物が話す秋田弁が心地よいし、ちらっと見えるイナカの貧しさや苦しさとか共感できるし、ちょこっと登場する戦中・戦後の有名人物(ウィロビーだとかウィスリー大山、ミステリアス・マヌエラこと和田妙子さんとか)の名前に知的触覚が反応するし、楽しく読める作品でありました。
内館牧子さんが文庫版のあとがきで
「『これはいつの物語なのか』と混乱した。昭和二十二年九月から秋田で始まる物語なのだが、平成二十四年の秋田県人と資質が変わっていない」
と書いてらっしゃるのですけれども、確かに!と頷いてしまう反面、
私は自分が生まれた昭和五十五年以前の秋田の空気を全くもって想像できず、渡辺京二さんが逝きし世の面影の中でおっしゃっていた「文明は滅びる。文化は残る。」みたいな言葉を思い出し、「古き良き時代」はとっくに滅んでしまったのだろうなと思うのであります。何とかして今からでもいいのでその時代を生きてきた人たちからの証言を集められないだろうか。
地元の同級生とお酒を飲むと昔話が多くて、それがまた楽しくて、すでに自分たちの世代で確固たる「古き良き時代」ができあがっていることを実感します。
それはそれでとても良いことだなぁと感じているのでありますが、惜しむらくは、私は実家を離れて暮らしている時間も長くて、故郷の古き良き時代作りに参画していないのだ、と思われることであります。そんなものは背負って生きていくしかないですけれども、たまーに、寂しくなります。
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