2015年2月12日木曜日

北鎌倉の高台にあるカフェ「阿園の庭」


今回は私も住んでいる北鎌倉にあるカフェ「阿園の庭」を紹介します。

■「阿園の庭」
http://www.ahwon.jp/
■火・水定休日
http://www.ahwon.jp/#!news/c1wos
■禁煙

元々は「藤源治ラボ」というお手紙カフェだったそうなのですけども、2011年8月に惜しまれつつも閉店。お店をやってらっしゃった方は、今は鎌倉大町に文具と雑貨の店「コトリ」を運営されておるそうです。素敵なお店なのでこちらもおすすめであります。


私達夫婦北鎌倉に引っ越してきたのは2012年だったので、藤源治ラボにお邪魔することはかなわなかったのですが、2013年に「阿園の庭」としてリニューアルオープンした後、改装工事を経て2014年12月に改めてオープンしました。

築50年の民家の1階部分を店舗として利用しているのですが、建物の佇まいがとても素晴らしいのです。隅々まで大事に暮らしてきた雰囲気が行き届いています。

庭の眺めもとても良くて、生活により沿う木々・草花の四季の移ろいを感じることができます。私は春・初夏の庭の緑が青々と生命力がみなぎる時候の庭が大好きでして、コーヒーを飲みながら読書したり勉強したり、勝手にくつろいで長居をしてしまってました。

なので、またオープンしてくれてほんとうに嬉しいです。子どもと一緒に行ったんですけど、子どもも終始ニコニコご機嫌で、気に入ってくれた様子。テーブル席とお座敷席ありますが、店主の方がお一人で切り盛りされているので、庭を眺めながらゆっくり待つことをおすすめします。

北鎌倉の観光コースとははずれた高台の住宅街にお店はあり、なかなか急な坂を登り切ったところにありますけども、北鎌倉で静謐と美味しいコーヒーをお求めならぜひ。



2015年2月6日金曜日

鎌倉散策をするときに、手元にあると鎌倉の歴史がより深く理解できる参考図書

私は普通の会社勤めをしていますので、カレンダー通りの土・日・祝日が私の休日。水曜日くらいから「今度の週末は子どもと一緒にどこに散歩に行こうかなー」なんて考えるの楽しみであります。

そんな時に参考にしている本がありますので紹介したいと思います。ことりっぷとかるるぶ的なのも楽しいんですが、自分の趣味でもある歴史に引き寄せて選びました。ランチが美味しいお店とか、カフェとか、載ってないよ!

■永井路子著「永井路子の私のかまくら道」



言わずと知れた作家さんでありますが、鎌倉を舞台にした「炎環」で植木賞を受賞しています。私は「炎環」と「北条政子」を読んで鎌倉に対するイメージが再構築されました。源氏による鎌倉幕府は、頼朝-頼家-実朝の三代で途絶え、頼朝の兄弟や子どもたちもことごとく亡くなっているところに、武家政権誕生の頃の厳しさを思うのです。

そんな小説の舞台となった土地を永井さんが散歩コースとして紹介してくれる本であります。小説と合わせて読むと感慨もひとしおだと思います。

鎌倉を散歩する予定と立てるとき、とっても役に立つと思います。

永井さんの他の小説も抜群に面白いです。


■かまくら春秋社「鎌倉の寺 小事典」


鎌倉五山を筆頭に、鎌倉にはたくさんのお寺があります。私が住んでいる北鎌倉だけでも円覚寺、東慶寺、浄智寺、明月院、建長寺、長寿寺があって、同じ臨済宗ではあるんでしょうけどそれぞれ寺の趣や雰囲気、成り立ちも違うので、この本を一冊カバンに入っているとまた違った側面からお寺のことを見られると思います。

鎌倉にあるお寺には著名な文化人のお墓がたくさんあって自分の好きな作家さんのお墓を詣でるのもなかなか楽しいものであります。浄智寺にいくと、「あの女子二人組、澁澤龍彦が好きで墓参りに来たっぽいな」みたいな方がいて、なんとなくわかります。そのたびに、俺も好きだよ!って心の中で話しかけています。


■かまくら春秋社「鎌倉の神社 小事典」


上に同じくかまくら春秋社のこちらは神社版。鎌倉を散歩しているとお寺と同じくらい神社があったそれぞれ地域にしっかりと根ざしているのを感じます。私も北鎌倉にある山之内八雲神社の例大祭ではお神輿を担がせてもらっているんですけども、地域の人達がそうした祭りを通じて氏神様を近くに感じている。思いの強弱はあるかもだけど、きっと信仰っていうのはこういうものなのだなぁと思います。

私お寺よりも神社が好きでして、散歩中に小さな祠や神社を見つけると必ずお参りします。神社はその土地の古い記憶を持っているというか、いわゆる神道的な、日本古来のアミニズムは、仏教伝来なんかよりも断然歴史が古いわけで、積み重なっている古層が違う。ずーっと昔からその土地の聖地であり、おそらく一等地に立っていたんだと思います。

以上、散歩のお供三冊の紹介でありました。


2015年2月5日木曜日

逗子市郷土資料館にいってきました ~ ぼくらが郷土資料館に行く理由 ~ 

JR逗子駅から歩いて15分、徳富蘆花の旧居の近くに蘆花記念公園があり、その敷地内に
逗子市郷土資料館があります。資料館の方曰く、「逗子にある唯一のミュージアム施設」とのこと。

■逗子市郷土資料館
http://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/syakyou/newbunkazai/kyodo-muse/kyodo-muse.html


私達夫婦は、それぞれの地域にある郷土民俗資料館が大好きであります。どこか知らぬ土地に出かけたらまず探します。その土地の風土や暮らしてきた人達の息吹のようなものを感じ取るには郷土資料館がいいのです。展示されている民具などから伝わってくる人々が生活していた感じがとても愛おしい。


著名な建築家が設計した美術館・博物館も素敵ではありますが、たいていの郷土資料館みたいな施設は公民館みたいな建物だったり地域に伝わる古い建物を利用していたりで、とても味わい深い。逗子市の場合は後者。

徳川家第16代当主 徳川家達(いえさと)の別邸として使われた由緒があります。この建物が格段に良くて、廊下はピカピカで丁寧に手入れされているんだろうなぁってのが感じられます。窓からの眺めは格別に素晴らしく、伊豆半島、江ノ島の遠影の奥には富士山が見えます。ここに住みたい。

私達が訪れた時はあいにくの曇り空だったけれど、うっすらと富士山頂が見えました。



徳富蘆花ゆかりの原稿や鎌倉にまつわる文人たちの本の展示から、縄文期の土器のかけらまで逗子の郷土・民俗・歴史にまつわるものはおよそ網羅されていて、逗子のことを知るにはとてもよいです。完璧。


当たり前なのだけれど、その土地その土地には古くから連綿と続く人々の暮らしがあり、時に気候や地殻変動・災害・戦争なんかでぶつ切りにされることはあったとしても、「ここが住むによし!」と思った人達が暮らしてきたわけです。

土地の歴史を知ることは地域の良さ・魅力の源泉を見つけることだと思っています。私のように別のところから引っ越してきた者や昔から住む人にとっても、新たな発見・再発見があるはず。その源泉を観光資源と捉えるもよし、生きていく心のよりどことするのもよしであります。歴史を知ることでその土地での日々の暮らしがいっそう素晴らしいものになる。確信をもって言えます。


あんまし来たことなかったけれど、いっぺんに逗子のことが好きになりました。また来よう。派手なところではないけれどおすすめであります。